”悪魔とのおしゃべり”

著作:さとうみつろう

あらすじ

 「正しさを疑え」という悪魔の声が聞こえてしまった主人公みつろう(=著者)。
良い子になることを当然として育ってきた ”私たち” には、悪魔の言うことが悪いように聞こえながらも、何故か正しいような気がしてしまう。会話のテンポの良さと巧みな論理展開が、「悪魔は実は悪ではないのではないか?」と思えてきてしまう。信じ続けてきた概念や良いものは正しいという価値観は、果たして本当に良くて正しいのか?
もしかすると、悪魔は天使で、天使は悪魔なのかもしれない…。

【感想】
 『悪魔に洗脳されてしまう話なのかも』と勝手なイメージから本を開きました。
ところが、そうでない。悪魔の見事なロジカルシンキングに気付けば、頭をぶんぶんと盾に動かしながらこの本の世界観にどっぷりハマってしまいました。
 『悪者は悪事をするときに笑っているが、正義のミカタは悪を倒すために眉間にシワ寄せているだろう?』は腑に落ちすぎて爆笑しました。
笑っている=リラックスしていることは、眉間にシワ=力んで無理しているよりも、楽だし構えとして正しい(笑)
悪魔曰く、無理は続かないし、笑顔がないものは楽しくないから自分にも良くないものだというのです。
これはやられた、ともうすっかり悪魔側になってしまいました。

 むしろ、善を提唱する側の方が疑わしいとさえ思えます。
悪魔だからといって、悪ではないのです。そもそも、判断自体が要らないものなんですね。面白かった、また読むつもりです。

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